人を知る|UXデザイナー/コンサルタント 執行役員 御船

創業当時から変わらない本質は 「長期的な関係づくり」 INI執行役員が考える文化と未来

INIには、2000年の創業当時から10年以上にわたりビジネスと組織を支え続けているメンバーがいます。今回はUX/コンサルティングチーム 執行役員の御船さんと、INIの経営理念や価値観を掘り下げ、メンバーやクライアントとの向き合い方についてお話を聞きました。

執行役員 御船
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御船 晋伍

UX/コンサルティングチーム 執行役員

2008年中途入社。Webプロデューサーとして様々なプロジェクトに携わったのち、現在はUX/コンサルティングチームの執行役員としてメンバーマネジメントや自社マーケティングを担当している。(2023年10月時点の取材に基づいた情報です)

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まずは普段のお仕事について教えてください。

御船

INIの執行役員として、2事業の責任者をしています。1つはUXデザインとコンサルティング事業、もう1つが広告の事業です。僕自身は、一部のプロジェクトではクライアントに提案をしたりとメンバーとして動くこともありますが、主な業務はメンバーの育成や評価といったマネジメント業務です。最近では自社のマーケティング活動の一環で、ウェビナーの企画や登壇にも力を入れています。

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UX/コンサルティングチームではどのような業務を行っていますか。

御船

まずINIには、BtoBを中心にデジタルマーケティングのコンサルティングで多くの実績があります。インターネット広告、Webサイト構築、リードナーチャリングなど認知獲得から送客までを一気通貫で支援できることは強みです。ですが最近では、企業がユーザーと良好な関係を作ったり、より良い顧客体験によって差別化を求めるクライアントが増えてきたことから、UXデザインの専門性を深めることにも注力しています。

業務内容はプロジェクトによって異なる部分もありますが、以下のようなイメージです。

  • 事業戦略やKPI、担当者のミッション、経営理念をヒアリングし、仮説を言語化
  • ユーザーインタビューなどを通してWebサイトのコンセプトを定義
  • プロトタイプ作成、検証、Webサイト開発

これらすべてのプロセスに並走するプロジェクトもあれば、部分的に支援するプロジェクトもあります。戦略策定からリニューアルまで実施した実績では、マネーフォワードさんの税理士・社労士向けポータルサイトのプロジェクトが代表的です。

実績紹介:両社のカルチャーフィットがポイント。戦略から見直しWeb経由の商談数2.2倍増、成約率向上も実現

育成で重視する、仮説思考スキルと自律のマインド

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UXデザイン/コンサルティングを含め、Webに必要なスキルを身につけるための機会はありますか。

御船

Webのトレンドは移り変わりが激しいものですが、クライアントと対話しながら課題を引き出し、仮説を立て検証していくという「仮説思考」はどんな時でも必要とされるスキルです。そこでINIでは、仮説を立て自ら思考する力を高めるための目標設定と振り返りを実施したり、社外と合同で勉強会を行いインプットをしたりと、長く使えるスキルを身につける育成方針を大事にしています。

2023年2月には、INIのUXデザイン/コンサルティングチームとDMMさんとで共同研修を実施しました。UXとUIの定義にはじまり、ペルソナの作り方やカスタマージャーニーマップの使い方、事業会社であるDMMさんならではのデザインプロセスを学び、自分たちの業務に活かしてもらうなど、社外のエキスパートによる育成の機会も増やし始めているところです。

【DMMさんとの共同研修】UX/UIのデザインプロセスから学ぶコミュニケーションデザイン

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育成において、仮説思考のほかに重視しているスキルはありますか。

御船

INIに入社した15年前から、自分の立場が変わっていくにつれて、「自律」という言葉を使う機会が増えました。自律さえできていれば、仕事のやり方やモチベーションの持ち方などコントローラブルな部分は、自分で柔軟に変えていくことができると気づいたんです。

現在、INIはリモートワーク中心のハイブリッド出社スタイルで、メンバーはコアタイムありのフレックス制で働いています。フレックス制を取り入れているのも自律的な働き方を促すためで、人よりも大幅に時間をかけて残業して120点を出すよりも、限られた時間内で効率やコスト意識を持ってまず90点を出す人を評価したいと考えています。

働き方の自由度が高い分、自律を促す文化はありますが、一方で未経験でWeb業界に転職してきたメンバーが多いこともINIの特徴なので、UXデザイナー/コンサルタントとして一人前にするための育成モデルやナレッジはたくさんあります。

実際プロジェクトを行う中でも殆どの場合においてUXデザイナー/コンサルタントの職種でも同職種の先輩や同僚とタッグを組むことがほとんどで一人で進めるようなプロジェクトはほとんどありません。またQM(クオリティーマネージャー)がプロジェクトに入ることや、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)が横断的にプロジェクトの品質、コスト、納期を見る仕組みなどナレッジを共有し育成を促す仕組みが多くあるのも特徴です。

ただ、それに甘んじることなく、僕個人の考え方では、誰かにレールを敷いてもらわないとキャリアを作れないままでいると、自分の貴重な時間や未来を会社だけに託すことになってしまうので、メンバーには自社だけに依存せず、いい意味で利用してもらいながらキャリアを積み上げていってほしいです。

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DXが加速する中でもクライアントに寄り添い、長く付き合う

──

企業の課題解決を支援する会社が数ある中で、INIはどんなスタンスでクライアントと向き合っていますか。

御船

「長く付き合う」というのはテーマの1つで、クライアントに限らずメンバーや外部のパートナー会社まで、すべてのステークホルダーに対して心がけています。特にINIはインバウンドでプロジェクトを獲得することが多く、クライアントとの付き合いが長いことは特徴です。なかには2000年の創業当初からずっとお仕事をご一緒させてもらっているクライアントもいます。これは経営理念の「やさしく、つよい会社を増やそう。」にも繋がる部分で、ステークホルダーとの間に信頼を少しずつ積み上げて相思相愛の関係を築き、クライアントの事業を長期的に支援していく価値観が強いからです。

UXデザイン/コンサルティングチームでは、プロジェクトの初期段階で必ずクライアントへ深いインタビューを行なっています。まだ言語化されきっていない課題感や、担当者の方の社内におけるミッション、経営理念や文化など「そこまで聞くの?」というところまで聞くようにしているのですが、会話の中で「このクライアントにとって最適な手段はWebではない」と気づいたら、直接自分たちの利益には繋がらなくてもパートナー会社さんを紹介するでしょうし、僕らのステークホルダーとの関係性の作り方には「やさしさ」が色濃く出ると思います。最終的にクライアントのサービスが拡大したり、事業が右肩上がりに成長していかないと、長く関係を作っていくこともできないので、彼らのビジネス的な成長は僕らにとってもハッピーなことなんです。

DXの競争が加速した今は、支援する会社が増えただけではなく、企業内部でDX専門の部署を設置したりと内製化の動きも強くなっています。お客様の立場に立ってみると、支援会社にスポットで仕事を頼み続けるのではなく、社内にナレッジや考え方を残して、ゆくゆくは自分たちだけで自走して事業やサービスを作っていくことが理想のはずです。

だからこそ支援会社である僕らは、クライアントのDX内製化に伴走し、ナレッジや文化的なところも積極的に残していくべきだと考えています。クライアントが一つの事業にベットしているのに対し、僕らは同時に複数の事業/業界のクライアントと仕事をするので、速いスピードで経験とナレッジが貯まります。それらを提供しながら伴走することで、ただスポットで入っている外部のパートナーという立場ではなく、プロジェクトチームの一員として長期的に貢献していけるのではないでしょうか。

仮説思考を持ち、顧客体験とビジネスの両立に向き合い続ける

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今後はINIをどんな会社にしていきたいですか?

御船

「自律できる人を増やす」ことと「長く付き合っていける関係性を増やす」ことは変えずにいきたいです。その上で今後は経営理念の「やさしく、つよい会社を増やそう。」とはどういうことなのか、より解像度高く伝わるようにしていきたいと思っています。言語化できている部分もあれば、まだ自分たちで正解を見つけられていない部分もあるので、まずはそこを洗練させていきたいです。

言語化できている部分だと、瞬間風速的に売上を立てるのではなく、LTV(生涯顧客価値)の向上や顧客との良好な関係づくりを目指しながらビジネス的にも成功する会社を増やしていきたいですし、そんな文化や価値観を持つクライアントと協働するのが僕らの理想的なあり方だと考えています。

そのためにも今後は、クライアントのビジネス成果に直結するプロジェクトを増やしていきたいです。認知獲得からナーチャリング、コンバージョンまでをゴールとするデジタルマーケティング支援だけではなく、例えばECサイトのように、Webそのものが事業であり、僕らの仕事が事業KPIの達成に直結するようなプロジェクトに携わっていきたいです。

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その未来を実現するために、どんな人と働きたいですか。

御船

UXデザイン/コンサルティングチームに限って言うと、仮説思考で問いを立てられる人、クライアントとユーザーどちらの課題解決も諦めたくない人、Webサイトだけではなくビジネス構造にも目を向けられる人でしょうか。

仮説思考を持ち、企業とユーザー、戦略と表層など異なる視点を行き来するUXデザインの手法は、3C分析などのフレームワークと考え方が似ています。ですから、こうしたマインドセットさえあれば、UXデザイナーとしての経験はなくても、どんな職種からでもチャレンジできる仕事です。受託制作のデザイナーがUXデザインの観点を身につけてキャリアチェンジしたり、マーケターからの転身も可能だと思います。スキル面は入社後に、社内ナレッジや外部のアドバイザーを通してしっかり支援していくので、仮説思考でクライアントやユーザーの課題解決に向かいたいマインドセットの方をお待ちしています。

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