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プロジェクトの目的とQCDの期待値をすり合わせる
PM/ディレクションの仕事をする上で大切にしていることは何ですか?
「私はジュニアPMとして、先輩社員とともにプロジェクトに携わることが多いですが、社内メンバー・社外メンバー関係なく、プロジェクトの目的/ゴール、現在の進捗状況について共有するようにしています。一緒にプロジェクトを動かしているINIの先輩社員もみんな当たり前のようにやっていることですが、転職してきたばかりの時は"ここまでやるんだ!"と驚きました。」
「そうだね。私たちはただ上から降りてきたものを作ったり、クライアントに言われたものをそのまま作ったりするのではなく、"提案型"であることに強いこだわりも持っているよね。私たちは、クライアントの「御用聞き」でもなければ、「伝書鳩」でもないと思っています。クライアント以上にプロジェクトの目的・ゴールは何なのかを意識して、半歩先くらいをリードしていくことが大切。
その軸さえブレなければ、デザインや機能一つひとつを取っても、しっかりと一つひとつに意味やこだわりを持って提案できますし、何をしたいのかわからないような、チグハグなものになることはないと思いますね。」
「二人が話してくれたのは、まさに私たちINIが大切にしている"目的思考"と"QCD"の観点なんだろうね。QCDについては、社内の中だけで語られがちだと思うのですが、クライアントとも共通認識を持つことが大切だね。
プロジェクトの期限が決まっている中で、何を優先的に取り組むのか優先順位をつける時に、その判断の拠り所となるのが、そもそもクライアントは何を実現したいのか?という"目的/ゴール"です。『今回はここまでやりましょう、そして、次のステップでここまでやりましょう』とゴールまでの道のりを分解して、見える化し、現実的かつ本質的にあるべき形で進行をしていくことが、クライアントにとっても、INIにとっても幸せなことだと思うね。」
「私たちの都合で勝手にスコープを引いたり、クライアントが実現したい目的を忘れて無難な着地にしてしまうということは受託会社ではわりと良くおこってしまうことなのだけど、クライアントも必ずしも最適な方法論がわかった上でオーダーをしているとは限らない。
私たちが本気で『クライアントにとって最適な方法って何なんだろう?』ということを考え尽くし、それが例え当初のオーダーと異なっていても、正しいと思えるものなら提案することがクライアントに向き合うINIの基本スタンスになっているよね。結果的に、CSも高くなっているし、クライアントに感謝されることの方が多いからね。」
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プロジェクト計画は目的に沿ってアップデートしていくもの。
取り組まれているプロジェクトや仕事内容を教えてください。
「私は現在、オルビス株式会社様のECサイト グロースプロジェクトを担当しています。オルビス様とはこれまでも、新ブランドサイトの立ち上げだけではなく、コミュニケーション戦略からWebサイト制作、PM支援までトータルにサポートをさせていただいたりしている関係性です。
当時、デジタルだけではないコミュニケーション設計も踏まえてトータルに支援することはINIにとってもチャレンジングだったと聞いていますが、INIが大切にしている常にクライアントと生活者の間に立って提案する姿勢は買っていただいているのかな、と思います。」
参考:オルビス株式会社様 「SKINCARE LOUNGE BY ORBIS」立ち上げ支援
https://www.ini.co.jp/portfolio/orbis-conceptshop.html
「私は今年いちばん集中的に携わらせてもらっている、三菱電機ビルソリューションズ株式会社様のプロジェクトです。
- プロジェクト計画書に前提の落とし込み、プロジェクトが進行するたびにアップデート。
- 最初は実施する内容がざっくりのまま走り出すため、スコープや前提が固まってきた段階で「スコープ判定会」を実施。
- スコープ、スケジュールなどクライアントと一緒にプロジェクトの全体像を確認し合うミーティングを実施。
- 週次でマイルストーンとスケジュールをクライアントに共有し、どの工程にいるのか?の確認を徹底。
といった流れを経て、常にクライアントと私たちが見えているものに認識のズレが起きないように可視化して、コミュニケーションを取ることを大切に、プロジェクトをマネジメントしていました。」
参考:三菱電機ビルソリューションズ株式会社様
営業スマート化プロジェクト
https://www.ini.co.jp/portfolio/mebs.html
「私も計画がいちばん大切だと思っているのですが、一方でプロジェクト計画も最初に作り切って、それで終わりというケースも多いようにも思います。ですが、最初から全てが固まっているわけでもないし、状況に応じて柔軟に変えていくことが大切です。多くの制作会社だと、制作物を作ることありきでスタートするので要件ありきで目線が点になりがちだけど、私たちはもうひとつ上にある線の部分を意識していきたいと考えています。」
「INIが評価されるのも、そういった視点・スタンスだとCS調査をみても感じてます。クライアントと認識を合わせるためのプロジェクトマネジメントが強みになっているのも、このようなINIのクライアントに対する支援思想が根っこにあるからだなぁと。」
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プロジェクトを通じて成長できる仕組みとサポート体制。社員への教育が整う環境だからこそ、着実に成長できる。
INIらしいな、と感じるところはどんなところですか?
「先の話にも通じますが、やはり目的とそれに対する手段の関係性をしっかりと立ち止まって考えることですかね。INIには、"QM(クオリティマネージャー)制度"という会社としてクオリティを担保するためのレビュー機会があるのですが、そこでは必ずまずプロジェクトの"目的"を聞かれます。
そういった問いかけをいただくことで、私自身も気づいていなかったり、考えられていなかったことにも視野を広げ、もっと深掘りしなきゃ!と学ばせられることが多いです。
そのためにも、
- 悩んでいることに対して考えることをやめない姿勢
- ただ単に「わからない」ではなく、目的をベースに自分が今持っている材料を使って可能な限り仮説をつくること
- 目的は何か、自分が考えていることは何か、なぜ考えているのかを明確にし、どんな手段をとるべきかを考える
ということを意識しています。」
「まずは自分で考え抜くことって大切だよね。INIのクレドにもあるけど、それが自律につながる第一歩だと思いますね。INIの仕事のやり方として、タスク単位で仕事を振り分けるのではなく"役割"で振り分けているので、各役割が責任を持ってやるという意識が徹底されていると感じますね。タスク単位だと細分化されて、全体像が見えにくくなったり、身動きが取りにくくなりがちですが、役割単位だと個々に裁量があって、柔軟に動きやすいと感じます。
一方で、QM制度やPMO制度というノウハウを持った社員によるフォロー・バックアップ体制も整備されているので、成長段階のPMでも安心して取り組み、ノウハウを吸収しながら成長できると感じています。」
「この業界では、ディレクターに案件を任せて一人で抱えて孤立してしまうというケースも多いので、それだと自分たち都合でいかに効率化して最短距離を走るかしか考えられなくなると思うんですよね。そうなると、クライアントもユーザーも忘れ去られてしまい、もちろん、当初の目的さえも見失ってしまいます。出来上がった段階で、『何のために、これ作ったんだっけ?』となっては、誰も幸せにはなりません。
そういった意味で、プロジェクトを組織として支援する仕組みが必要だし、その仕組みの中で経験のある社員や外部の有識者からアドバイスをもらえることもあります。そういった実践の中での活きた学びが、私たちの成長につながる格好の教育教材だと思いますね。」
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「実際に社内アンケートで取っているESでも、そのあたりの教育・サポート体制や成長実感は従業員満足度も高い結果が出ています。
プロジェクトの規模にもよりますが、大規模案件ともなれば、INIの社員だけではなく外部のパートナーも含めて多くの人たちが関わります。私たちはそのステークホルダー全員の利益を守ることが大切です。私たち自身が成長しないと、その役割も果たせないからね。」